コラム

不動産市場

日本の不動産市場2026年の展望

 

物価高騰をはじめとしてさまざまな社会問題に注目が集まる中、今後の日本の不動産市場は
どうなっていくのでしょうか。現状を踏まえ、売買・賃貸それぞれの2026年の展望を考察していきます。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

進む高齢化による空き家の増加

総務省が2024年4月30日に発表した「住宅・土地統計調査住宅数概数集計」  によると、日本の空き家数は約900万戸と過去最多を記録しました。これは前回集計の2018年から約51万戸の増加で、空き家率も13.8%と過去最高を記録しています。

 

空き家のうち、賃貸や売却、セカンドハウスなどとしても使用されていないものは「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」に区分され、その数は約385万戸です。こちらは5年間で約37万戸増加しています。空き家の中には適切な管理がされず、放置されているものも多くなります。倒壊の恐れや衛生的に問題が発生するといった、いわゆる空き家問題が問題になっています。空き家は地方だけでなく都市部でも増加しています。

 

団塊世代の多くは自宅を所有しているため、親から相続した空き家には住まず、遠方であれば管理もできないといった問題から、今後は売却に出される物件が増加する可能性があります。人口減少や空き家増加から、物件の供給が増えれば、需要が減ります。特に都市部以外の地域では売却物件が供給過多になり、価格の下落が予想されます。
 

参考:住宅・土地統計調査住宅

 

 

 

 

 

高くなる土地・住宅価格と賃貸需要

国土交通省は2025年9月16日、同年7月1日時点の全国の基準地価 を公表しました。全用途平均・住宅地・商業地のすべてが4年連続で上昇し、昨年より上昇幅も拡大しました。全用途平均は1.5%上昇しています。

 

住宅地では変動率がプラスとなった都道府県数は増加し、変動率がマイナスになったものは減少しました。全国的に地価が上昇傾向にあることが分かります。

 

東京圏は大きく変動率が上昇しました。この背景には現在盛んに行われている駅周辺の再開発をはじめ、都心への人口流入、国内だけなく海外からのオフィスや商業施設、住宅、ホテルに対する不動産投資によるところが大きいとされています。
 

住宅地では千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区の伸びが顕著で、地価の平均上昇率は10%を超えています。

 

新築物件は価格の高騰が始まっています。これは地価と建築コストの上昇によるものです。近年では新築物件の省エネ基準への適合が求められ、税金の優遇措置である住宅ローン控除の条件にもなっています。このことからも、建築コストはこれまで以上に高まり、それに伴い物件価格の上昇が見込まれます。

 

参考:基準地価 

 


 

 

 

 

 

 

賃貸市場の傾向と家賃の変化

新築分譲物件の価格高騰により、中古マンションや賃貸物件への需要が高まっています。需要の高まりは価格に影響を与えるので、賃貸物件も家賃は上昇傾向にあります。実際に更新のタイミングや新規入居のタイミングで賃料の値上げを実施するオーナーも増えてきています。

 

ただし更新のタイミングでの交渉に失敗し、入居者が退去してしまうリスクは無視できません。例えば、賃料を5%アップしようとして、交渉が上手くいかず退去につながり、1カ月間の空室期間が生まれたとします。この場合、新入居者が1か月後に見つかったとしても、空室となった1か月分の赤字を回収するには次の入居者が最低20か月住み続ける必要があります。

 

家賃を上げるのにはリスクがあります。近隣物件の相場を知ることや、入居者が求める設備を導入するなどし、家賃に見合った環境、入居者希望者が集まりやすい環境をつくることが重要です。
 

 

 

 

 

 

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