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サブリース契約とは?メリットや注意点、トラブルを防ぐ方法を分かりやすく解説
2025.05.08
賃貸物件の管理を外部委託する場合には「管理委託契約」と「サブリース契約」の2つの方法があります。今回のコラムではサブリース契約について特徴やメリット、注意点などを紹介します。
サブリース契約とは?
サブリース契約とは、賃貸物件の管理を委託する契約形態の1つです。管理契約には「サブリース契約」と「管理委託契約」の2つがあります。
管理委託契約は、賃貸物件において発生する入居者との賃貸借契約や賃料の回収、入居者トラブルなどの業務を不動産会社に委託するものです。
管理会社の役割は、管理の代行にあたるので、賃貸借契約は貸主(オーナー)と借主の間で結ばれます。
一方でサブリース契約は、物件オーナーと不動産会社が賃貸借契約を結び、不動産会社が入居者に又貸し(転貸)をする形態をとります。サブリース物件では、オーナーと不動産会社間の賃貸借契約と、不動産会社と入居者間の2つの賃貸借契約が存在し、入居者は不動産会社に、不動産会社は物件オーナーに賃料を支払います。不動産会社が入居者から得る賃料は、物件オーナーに支払う賃料よりも少し高く設定され、その差額が不動産会社の収入になります。
サブリース契約のメリット:労力が少なく、空室リスクがない
サブリース契約では不動産会社と入居者の間で直接賃貸借契約を結んでいるので、例えば備品の故障などについても物件オーナーは不動産会社に間に入ってもらって入居者とやり取りをするといったことがありません。管理委託契約と異なり、最終判断に至るまで不動産会社が担ってくれる点で、サブリース契約は物件オーナーへの負担が軽くなります。物件オーナーが海外に在住している場合など、不動産会社とひんぱんに連絡を取るのが難しい場合には有効な選択肢になるでしょう。
また、サブリース契約では、不動産会社から直接賃料の支払いが行われます。賃料を入居者ではなく不動産会社から得るので、実際に物件に空室があるかないかにかかわらず安定した収入が確保できる点にメリットがあります。ただし、不動産会社や賃貸管理プランによっては、空室時の賃料保証がない場合もあるので、トラブル防止のために、契約時にしっかりと確認することが必要です。
サブリース契約のデメリット
空室リスクの心配がない反面、得られる収入は少ないのがサブリース契約のデメリットです。
サブリース契約では、オーナーと不動産会社との契約賃料と、不動産会社と実際の入居者との契約賃料の差額が不動産会社の利益となります。実際の入居者からすると、サブリース物件であることにメリットはないため、賃料が相場よりも高ければ入居せず、空室になってしまいます。サブリース契約において、空室があると困るのは物件オーナーではなく不動産会社です。
不動産会社は賃料収入を確保するために、入居者への賃料は相場通りに設定し、オーナーへは賃料保証をする代わりに、支払う賃料は相場より安くなります。管理委託契約の場合でも管理業務に応じて不動産会社に手数料を賃料の5~10%ほど支払いますが、サブリース契約では実質的にそれよりも多くの金額を支払うことになります。
また、更新料や礼金は物件オーナーには支払われない契約になっている場合も多くあり、物件の老朽化に伴い定期的に保証家賃を下げる契約になっていることが一般的です。
物件や立地に魅力があり、空室になる恐れが少ない物件であるなら、サブリース契約よりも管理委託契約にする方がよいでしょう。
物件オーナーにとって、入居者募集から賃貸借契約、更新契約などのあらゆる業務を一人で行う自主管理では負担が大きすぎます。そのため、基本的には管理委託契約かサブリース契約かを選ぶ、もしくは物件を売却するという選択をすることになるでしょう。どの方法を選ぶにしても、トラブルを避けるためには信頼できる不動産会社を選んだ上で、きちんと契約内容を確認することが重要です。