コラム

売買

2026年公示地価から読み解く、東京23区不動産市場の現在地

2026.05.03



― 上昇が続く都心、より進む「選ばれるエリア」との差 ―

 

2026年3月に公表された公示地価では、全国的に緩やかな上昇基調が続く中、
東京23区は依然として日本の不動産市場を牽引する存在となりました。
 

ただし、その内訳を見ると、かつてのように「23区一律の上昇」ではなく、
エリアや用途による差がより明確になってきたことが特徴です。
 

 

都心商業地:一等地の強さは継続

東京23区の商業地では、銀座・丸の内・虎ノ門・六本木といった都心一等地の価格水準が引き続き高い評価を維持しています。
インバウンド需要の完全回復に加え、再開発の進展やオフィス・商業・ホテルが一体となった複合開発が地価を下支えしています。
 

特に、国際競争力の高いエリアでは、国内需要に加え海外投資マネーも入りやすく、景気変動に対しても相対的に強い価格形成が続いています。
一方で、同じ商業地でも人流回復が限定的なエリアでは、上昇率が穏やかになるなど、立地の選別が進んでいます。

 

 

住宅地:都心近接エリアを中心に堅調

住宅地においても、東京23区全体としては上昇基調が続きました。
特に都心へのアクセスが良く、生活利便性と住環境のバランスが取れたエリアでは、安定した需要が地価を押し上げています。
文京区・目黒区・杉並区・中野区などはその代表例といえるでしょう。
 

背景には、建築コストの上昇による新築供給の制約や、共働き世帯を中心とした「立地重視」の住宅選択があります。
結果として、中古マンションや土地の価値が見直される動きが続いています。
 

一方で、23区内であっても、駅距離や用途地域、将来の建替え制約などによって需要に差が生じており、
住宅地でも価格が伸びる場所とそうでない場所の差が徐々に拡大しています。

 

 

「23区だから安心」ではない時代へ

2026年の公示地価から強く感じられるのは、東京23区市場が量から質へ、そして将来性重視へと移行しているという点です。 省エネ性能や建物の維持管理、再開発や街の更新計画といった要素が、今後の資産価値を左右する重要な判断材料になっています。
 

不動産の購入や売却を検討する際には、現在の価格水準だけでなく、

・将来も需要が見込める立地か
・住み替えや売却時に評価されやすい条件か

といった中長期的な視点がこれまで以上に重要です。
 

2026年の公示地価は、東京23区不動産市場が引き続き堅調であることを示す一方で、 「どこでも値上がりする時代ではない」ことを明確に示した結果とも言えるでしょう。 今後は、正確な情報と冷静なエリア分析が、不動産選びの成否を分けていくことになりそうです。

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